オープンテクノロジー

ベッド搬送用「操舵アシスト装置」

人手のかかるベッド搬送の省力化に向けて

医療施設や介護施設では、多くのベッドが使用されています。重量がある医療用ベッドを、これを1人で動かすのは容易ではなく、スムーズに搬送するためにはベッドの前後に複数のスタッフを配置する必要があります。少子高齢化社会を迎え、現在、医療や介護の現場では労務不足が懸念されています。こうした現状を踏まえ、多くの人手を要していたベッド搬送の省力化を図るために、ベッド搬送用「操舵アシスト装置」が開発されました。

共同で開発行ったのは、当社、医療機器メーカーの株式会社エーアンドエーシステム、ベッドメーカーのシーホネンス株式会社の3社。当社では、装置全体の概念設計、制御ソフトと本体装置の設計開発をはじめ、開発プロジェクト全体のマネジメントを担当しました。その上で、エーアンドエーシステムでは、詳細機構や電気配線の設計、電気基板作成、装置の検証と改良などを担当、シーホネンスは機構やその改善案の共同検討、市場の調査、本装置の販売を手がけました。

1人でのベッド搬送が容易、取り付け・取り外しも簡単

操舵アシスト装置は、操舵車輪や操舵用モータ、制御装置、無線コントローラ、バッテリー、充電器などを内蔵したキャスター式の装置です。本装置を医療用ベッドに取り付け、無線コントローラで操舵車輪の向きを任意の方向へ調節しながらベッドを押すだけで、自在な移動、旋回が1人で容易に行えます。また、本装置の取り付けと取り外しが、ボタン1つの操作で可能なことも特長です。本装置の詳細は以下の動画をご覧ください。

開発担当者コメント

装置取り付けの容易化に注力


株式会社エーアンドエーシステム
開発設計課 岡本 昌美

最大の課題となったのは、装置の取り付け、取り外しの容易化でした。そこで、装置の把持部の実物大モデルを制作し、最適な固定方法の検証を重ねました。

その過程で、十分なフィールドテストを行えたことも今回の開発成功の鍵。これは当社単独では難しかったことで、清水建設さん、シーホネンスさんの協力あってこその成果でした。

今後、1機種でできるだけ多くのベッドに取り付け可能とするためには、各種ベッドの形状情報の収集と、装置の新たな固定方法の開発が重要です。その後者において当社は引き続き力を発揮していきたいです。

商品を売るという観点からの開発が必要


シーホネンス株式会社
製造部開発設計課 嶋本 智之

当社にはベッド自体の製造ノウハウはあるものの、本装置の開発は未知の分野。お客様がどれだけ興味を持つかがわからなかったため、まずは当社の電動ベッドの営業担当者にヒアリングし、次いで試作機を医療機器関連の展示会に出展、来場者に直接、興味やニーズについて調査を進めていきました。

そこで出た課題を、得意分野の異なる3社の技術とノウハウで解決し、装置が徐々に現実のものになっていく。その過程で、協働していく上での充実感を強く感じました。今後は提供価格ダウンに向け、装置の改良に協力していきます。

商品を売るという観点からの開発が必要


清水建設株式会社 技術研究所
未来創造技術センター 佐藤 等

当社技術研究所で数年にわたり研究開発テーマとして操舵アシスト装置の新規開発に取り組み、実用化の目処が立ったことで、今回3社共同での商品開発が実現しました。

プロジェクトを進めていく中で改めて実感したのは、「使い勝手が良い商品を開発し、それを売っていく」という観点からの研究開発の重要性。その意味で今後は、多種多様なベッドへの対応と取り付け時間のさらなる短縮化を目指すとともに、エレベータが比較的小さい病院への対応として装置の小型化にも挑戦していきたいと考えていきます。

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