2003.04.14

テクニカルニュース

環境

焼却施設を短期間で解体!~ダイオキシン類も確実に除去~

 昨年12月のダイオキシン類の排出規制強化に伴い、廃棄物焼却施設の解体工事の需要が高まっています。施設の解体にあたっては、先行して行われるダイオキシン類の汚染除去が飛散防止と作業員の安全確保のために大変重要です。

 当社は、煙突やダクトなどの内側のダイオキシン類付着物を短期間で確実に除去できる技術を開発しています。すでに中規模から大規模の清掃工場を中心に、病院や工場で使用されてきた中小規模の焼却炉など、さまざまな焼却施設の解体工事で30件の実績を挙げています。

 ダイオキシン類の汚染除去については、事前の調査から汚染部分の除去、汚染物の処理・処分、煙突の解体等に至るまで一貫して、当社開発の「S-DA工法」により安全・確実に行います。


S-DA工法の処理フロー

 なお、今回の特集では、主に汚染の除去技術や洗浄技術についてご紹介します。

S-DA工法:Shimizu Dxns Abatement(エス・ディー・エー工法)


洗浄・剥離能力に優れたダイオキシン除去技術

 水、砂、空気を混合し噴射する「SSM工法(エス・エス・エム工法)」は、廃棄物焼却施設内にこびりついたダイオキシン類付着物を確実かつ効率的に取り除くことができます。この工法の最大の特徴は、加湿、洗浄、剥離だけでなく、ハツリ(削ぎ落とし)までも行うことができる「混気ジェットハツリ装置」を使用している点です。

 この装置は、従来の高圧洗浄工法でも使用する水と空気の他、ハツリ性能を加えるために砂を混合し、その混気体を音速に近い速度で噴射します。特殊なノズルを採用し噴射後の混気体の拡散を防ぐことで、水がもつ直進性、砂がもつハツリ性能を最大限に引き出しています。これにより、この装置一台だけで、除去に必要な加湿、洗浄、剥離、ハツリの4つの作業を確実かつ効率的に進めることが可能です。

●SSM工法の概念図

圧縮空気と高圧水とを特殊ノズルで混合し、洗浄・剥離能力に優れた噴流物(Super Strip Mixture)をつくります。粉体を圧縮空気に混合することで、高強度コンクリートを目荒らしできる高い剥離能力が得られます。(特許出願中)


中型炉解体への適用


SSM機材ユニット

■SSM工法のメリット

  • 少ない水量で効率的な除去が行えるため、排水の発生量を従来の高圧洗浄工法の約3分の1に削減でき、排水の処理・処分委託費を削減できます。 
  • 従来の工法に比較して5倍以上の作業効率が確保できるため、除去作業にかかる工事期間を最大で約2分の1程度に短縮できます。
  • 廃棄物焼却施設内部の目地部分や凹凸の深いところまで削ぎ落とすことができ、確実で効率的にダイオキシン類を除去することができます。

SSM工法:Super Strip Mixture(エス・エス・エム工法)
当社と三井物産金属原料(株)、澁谷工業(株)で共同開発した、廃棄物焼却施設のダイオキシン類付着物を確実かつ効率的に除去できる工法です。

新開発のダイオキシン類汚染水処理技術

 本年4月、当社は日機装(株)、東京工業大学浦瀬太郎助教授と共同でダイオキシン類廃水浄化技術「SSF工法(エス・エス・エフ工法)」を開発しました。この工法では、除去工事から発生するダイオキシン類を含む廃水を環境基準値の100分の1以下に確実に浄化することができます。

 この水処理技術を「SSM工法」と組み合わせると、残渣の排出量を最大で従来の約10分の1にまで低減することが可能となり、廃棄物焼却施設の除去工事におけるコストをさらに低減することができます。

 また、浄化後の水は除去工事に再使用することが可能で、処分委託費用を大幅に削減できるだけでなく、除去にともなう環境負荷も大幅に低減できます。

■透析技術を使い浄化

 SSF工法は、急速ろ過処理と中空糸膜ろ過処理の2種類を組み合わせ、高い廃水浄化能力を持っています。

 浄化の工程は、まず、急速ろ過装置で、廃水中の直径0.5ミクロン以上の粒子を取り除きます。さらに、一番のポイントとなる医療用中空糸膜により、直径0.5ミクロン未満の粒子までも確実に取り除きます。これらにより、廃水は、環境基準値をはるかに下回る浄化度の高い水と、ダイオキシン類の付着した粒子を含む残渣とに分離することが可能となりました。なお、ろ過装置は、通常のものに比べ非常に小型で軽量です。

サイズ W60cm×D50cm×H120cm
本体重量 70kg
性 能 除去工事で発生する廃水に含まれる、ダイオキシン類濃度700~7000pg-TEQ/L(ダイオキシン類の量をあらわす単位)を、1pg-TEQ/L未満にまで浄化することができます。
SSF工法 Shimizu Super Filtration(エス・エス・エフ工法)


急速ろ過処理と中空糸膜ろ過処理を組み合わせた自動ろ過装置

■汚染廃材の確実な処理・処分

 ダイオキシン類に汚染された廃材(ろ材や中空糸膜など)は、セメント固化や加熱溶融によって、適正に処理します。溶融処理後の残渣(溶融スラグ)は、建設資材として活用できます。


溶融による安定化


電気炉による金属回収


溶融残渣の資材化