2003.09.30

テクニカルニュース

施設価値向上

次世代ネット技術IPv6でビル管理を一新!~インターネットを最大活用し、ユビキタス時代をリードします~

 当社は、次世代のインターネット技術であるIPv6を用いて、ビル内のさまざまな設備機器をきめ細かく制御し、快適な室内環境を効率的に実現する総合ビル環境マネジメントシステムを開発しました。

 従来、オフィイスビルでは、電気、空調、防犯・防災など、さまざまな設備機器やシステムを個別に配線・構築していました。近年では、専用ネットワークを用いてフロアーやゾーン単位で設備機器を制御するシステムもありますが、専門のオペレーターを必要とし、各設備機器ごとに煩雑な設定や管理を行っているのが現状です。


システムの制御画面(例):専門のオペレータ以外でも、きめ細かな環境制御が容易に行えます

 当社が開発したシステムは、IPv6技術を用いて、ビル内の照明、空調、温・湿度、カギ開閉制御などを一つのシステムにまとめ、総合管理を可能としたものです。各設備機器一台一台をインターネットを通じて個別にきめ細かく、誰でも容易にコントロールすることができ、快適なビルの環境制御を効率的に実現することはもちろん、ビル管理業務の省力化や省エネルギーに役立ちます。

各設備機器がIPv6に対応し、広く普及するにはまだ時間がかかります。しかし当社では、来たるべきユビキタス時代にいち早く対応するために、次世代ネットワーク技術であるIPv6の可能性に着目し、施設情報化への適用を目指しています。

≪お客様メリット≫

  • ビル内の各設備機器、照明器具の一台、空調機の一台にまでIPアドレスを割り当てるので、それぞれ個別に入居者の要望に添ったきめ細かな室内環境制御を効率的に行うことができます。
  • IPv6技術は高いセキュリティ性能を持つので、ビル外部からの遠隔操作においても、機器の制御やデータ収集、複数建物の監視・制御を安全に行うことができます。
  • 専用端末だけではなく、インターネットに接続したパソコンや携帯端末などからもアクセスすることができ、画面を見ながら簡単に制御が行えます。
  • 各設備機器一つひとつの状態を監視することもできるので、不具合発生時の迅速な対応や、効率的な設備機器の管理による省力化、省エネルギーを推進します。
  • 光熱用水費にかかわるきめ細かなデータを収集することで、ビルのLCC(ライフサイクルコスト)の把握に役立てることができます。

IPv6を採用した実用化第一号のシステム構成

 本システムは、当社のビル環境制御システム「ESMART(エスマート)」と、横河電機(株)が新開発した汎用IPv6用端末装置を組み合わせた、次世代インターネット対応の総合ビル環境制御システムです。実用化第一号として、当社の技術研究所内のサイバー実験棟に構築し、効果を実証しました。


PDAなどの携帯端末からもアクセスできます。

実際の室内(写真:上)をCGで再現することで、画面を見ながら簡単にさまざまな設備機器やシステムの制御が行えます。なお、画面の動きは、照明やブラインドのコントロールイメージを簡易に表現したもので、実際のシステム操作とは異なります。

次世代インターネット対応のビル管理システムを体験してみませんか?

 IPv6による「総合ビル環境マネジメントシステム」は、当社の技術研究所で体験することができます。

 見学のお申し込みは、当サイトのお問い合わせ画面をご利用ください(「IPv6ビル管理システム見学希望」、ご希望の日時や人数などをお書き添えください)。

 また、資料のご請求、詳細につきましてもお気軽にお問い合わせください。


ITソリューションラボ外観


アクセスマップ

IPv6技術と汎用IPv6用端末装置

■IPv6技術とは

 IPv6は、Internet Protocol Version 6の略。インターネットプロトコル(IP)とは、インターネットで共通に使われている通信規約(プロトコル)の名前です。 現在一般に使われているものはバージョン4(IPv4)ですが、次世代のバージョンがIPバージョン6です。

 IPv4では、一台一台のマシンにつけるIPアドレス(電話でいう電話番号のようなもの)が足りなくなる恐れがありますが、IPv6では無限に近いIPアドレスが確保されます。そのため、冷蔵庫やテレビなどの家電製品や、自動車など、いろいろなものをインターネットから制御できるようになり、セキュリティ面など、さまざまな機能が強化されています

■汎用IPv6用端末装置について

 本システムの開発・実証において、IPv6関連機器(汎用IPv6マイクロノード)は、横河電機(株)およびインターネットノード社の開発品です。横河電機(株)は、ワイドリサーチ社と合弁でIPv6技術分野の研究開発・企画を目的とした会社、インターネットノード社を2000年9月に設立し、実用化に適したIPv6機器の開発を世界に先駆けて行っています。