2008.10.30

テクニカルニュース

施設価値向上

室内から柱が消えた!! 広く使えるオフィスを実現!

当社は、室内に柱のない空間を実現する新しい超高層鉄筋コンクリート(RC)オフィス「コラムレスオフィス」を開発しました。

本構造は、プレキャスト・コンクリート(PC)外周フレームと中心部のコアウォールによりビル全体を支えるもので、室内には柱が一本もなく、有効活用できるスペースは1フロアあたり約12%増加します。また、免震構造とすることで高い耐震安全性を確保しています。

当社は、2009年春に着工する新本社ビル(東京都中央区)に本技術を導入します。100mを超えるRC超高層オフィスビルに免震構造を採用した例は、国内では初めてです。近年は、鋼材価格の高騰によりRC造の超高層オフィスビルが注目されています。今後、「コラムレスオフィス」を新しいオフィス提案として積極的に展開していきます。


新本社ビル完成イメージ

●コラムレスオフィスの特長

  • 窓まわりを含めて、室内からは柱がなくなるため、有効活用できるスペースが1フロアあたり1割程度増加します。
  • 免震効果が大きく発揮できる強固なRC造のため、高い耐震安全性を確保できます。

これまでにないRC造の概念

コラムレスオフィスは、構造体および外壁の役割を担うPC外周フレームと中心部のコアウォールを連結し、建物を外側と内側から強固に支える構造です。

窓まわりを含め、室内には柱が一本もなく、有効活用できるスペースは1フロアあたり1割程度増加します(当社新本社ビルでは12%増加)。

従来のRC造は、太い柱をグリッド状に配置する必要があるため、広い空間が必要なオフィスには不向きでした。また、S造と比べて免震効果をより発揮する強固な躯体となるため、高い耐震安全性を確保することができます。


コラムレスオフィス(上)と従来型のRC造(下左)、S造(下右)との比較


実大実験により構造性能を確認

PCフレームの構造性能については、当社技術研究所で実大実験を実施し、部材の強度などを確認しています。

PCフレームの各ユニットを構造体として一体化させるために、最も重要な接合部分を十字型で抜き出した実大の試験体での加力実験を行い、要求される構造性能を満足することを確認しています。


当社技術研究所における実大実験の様子


新本社ビル概要

新本社ビル建設においては、「都市再生」、「環境」及び「公共貢献」をキーワードに掲げ、最新の建築技術と環境技術を結集し、未来志向の超環境配慮型オフィスビルの創出を目指します。

  高層棟 低層棟
住所 京橋二丁目15、16番 京橋二丁目17番
用途 事務所、駐車場 他 子育て支援施設、駐車場
敷地面積 約3,000m2 約940m2
延床面積 約51,500m2 約2,800m2
構造 RC造、SRC造(地下) RC造
規模 地下3階、地上22階、塔屋1階 地下1階、地上4階
高さ 約110m 約25m
完成予定 平成23年9月 平成25年2月