2011.11.16

テクニカルニュース

環境

ウェブ上で建物の光環境をリアルタイムに見える化

当社は、ウェブ画面を介して建物内外の光環境を写真並みの画質ですばやく可視化できる「超高速可視化プレゼンテーションシステム」を開発しました。

本システムは、クラウド技術とGPU(グラフィック処理装置)、建物の3次元設計データを駆使し、これまで数時間を要していた光環境の可視化をわずか数秒から数分で行うものです。日時や照明の色合いなど、条件の異なる光環境を写真並みの画質でリアルタイムに可視化することはもちろん、照度や輝度の強度を色分けして可視化画像上に重ねて表示することが可能です。

当社は、対話的に光環境の検討・確認が行える本システムを活用し、より優れた光環境をお客様へご提案していきます。

本システムの開発にあたっては、東京工業大学のスーパーコンピュータ「TSUBAME 2.0」を使用し、描画速度・品質の検証を行いました。


システムにより作成した高画質CG


実際の写真


「どこでも」「リアルタイムに」「写真並みの画質」を実現

超高速可視化プレゼンテーションシステムは、近年注目されているクラウド技術とGPU、建物の3次元設計データを駆使し、ウェブ画面を介して建物内外の照明や採光などの光環境を写真並みの画質ですばやく可視化します。


システムのイメージ

■リアルタイムに

GPUは、ゲーム機などに使われている画像処理専門の演算装置で、大量の単純作業を得意とします。本システムでは、CGの描画処理に多数のGPUを利用することで、描画スピードを大幅に高速化しました。

■どこでも

GPUによる描画処理にはインターネットを介して計算資源を提供するクラウドサービスを利用しており、ウェブ経由でサーバーにアクセスすれば、どこでも描画処理を行うことができます。

■写真並みの画質

CG描画用の3次元データは、BIMの3次元設計データを活用して、効率よく作成します。BIMのデータから建物の3次元形状や色合いに関する情報を取り出し、必要に応じて植栽や家具などのデータを追加して、高精度な描画用3次元データを作成します。

BIM:Building Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略。コンピュータ上で作成した建物の3次元モデルに、コストや仕上げ、管理情報などのデータを追加したデータベースを、設計から施工、維持管理に至る建物のライフサイクル全てで活用する建築のワークフローです。


対話的に光環境を確認し、設計仕様を決定可能

本システムによるプレゼンテーションでは、まず最初に任意の建物部位を指定し、画面を見ながら描画のための視点や視角を設定、その後に光環境を確認するための諸条件を入力します。

条件については、日時、照明の色合いやオン・オフなど、自由に設定することができます。本システムを用いると、お客様の要望を聞きながらほぼリアルタイムに光環境を確認しつつ、さまざまな設計仕様を決定することが可能となります。


システムの利用シーン

■本システムで描画したCG(例)


日中の光環境


夕方の光環境


室内のイメージ


ランドスケープや建物周辺の光環境も再現。植栽などの大規模で複雑なデータも高画質で可視化

■照度や輝度を解析し、可視化画像上に表示

太陽の光や照明の明るさなどは、画面自体の明るさや見る角度によって印象が異なります。本システムでは、光の量やまぶしさを表す尺度である照度、輝度を解析して強度ごとに色分けし、光環境の可視化画像上に重ねて表示させることもできます。


照度や輝度を光環境の可視化画像上に表示

■開発者の一言


技術研究所
渡辺主任研究員

人間が外界から得る情報の約8割は視覚からと言われています。弊社が持つ数々の技術をお客様に臨場感をもって伝えたい。そんな思いで超高品質の可視化に取り組んできました。

開発にあたり、世界最速のGPU描画エンジンを組み込み、東京工業大学のスーパーコンピュータを利用した多数GPUによる速度検証を行うなど弊社独自のシステムに仕上げています。

今後は、流体などの解析結果との合成、音響システムとの連携、立体視化などを行い、さらにお客様に感動してもらえるシステムを目指して開発を進めて行きたいと考えています。