2012.09.24

テクニカルニュース

環境

放射性セシウム汚染土壌を浄化し、80%を再利用へ

環境省の東日本大震災での除染技術実証事業として、当社が福島県双葉郡広野町に建設したセシウム汚染土壌の実証浄化プラントによる実験がこの程完了し、減容化技術の確立に目途をつけました。

環境省では、中間貯蔵施設に保管するセシウム汚染土壌等を2,800万m3(東京ドーム23杯分)と試算しており、貯蔵施設の大規模化や、それに伴う建設用地の確保が大きな課題となっています。

本実証プラントは、新開発のスクラビング(擦りもみ洗浄)機能により、高い浄化率を維持したまま減容化率を向上、汚染土壌の最大80%が再利用できる見込みとなっています。プラントの要素技術は、重金属等を対象にした土壌洗浄プラントを基に開発しており、毎時40~80tの処理能力を持つ実用的なプラントの建設が可能です。

当社には重金属等による汚染土壌について240万トンを超える処理実績があり、セシウムによる汚染土壌に関しても昨年7月から取り組んでいます。業界トップクラスである当社の技術と実績、震災復旧への取り組みについては、10月17日(水)より東京ビッグサイトで開催される「2012土壌・地下水環境展」でご紹介いたします。ぜひ、当社ブースにお立ち寄りください。


汚染土壌洗浄プラント(スクラビング装置):擦りもみ洗浄を行うことで、放射性セシウムの除去率を向上

汚染土壌洗浄プラントの概要

本実証プラントの浄化プロセスは、重金属等による汚染土壌の浄化と同様、分級(ふるい分け)処理、スクラビング(擦りもみ洗浄)処理に大きく分けられます。

分級処理では、まず汚染土壌をふるいに投入し、粒径2mm以上の再利用可能な土壌を回収します。続いて残りの土壌をハイドロサイクロン(遠心分離機)にかけ、粒径63μm~2mmの土壌と、粒径63μm以下の高濃度汚染土(濃縮汚染土)に再分級します。

粒径63μm~2mmの土壌は、スクラビング処理によりセシウム付着部を効果的に剥がし取ることで回収し、汚染土壌の最大80%が再利用可能な洗浄処理土となる見込みです。


土壌洗浄技術の仕組み


洗浄処理フロー(例)


「2012土壌・地下水環境展」のご案内

当社は、来る10月17日(水)から19日(金)まで、東京ビッグサイトで開催される「2012土壌・地下水環境展」に出展します。

今回の展示会では、「安全な土地を創る—シミズの土壌環境ソリューション—」をメインテーマに、当社の最先端技術についてご紹介します。

ぜひ、当社ブースにお立ち寄りください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。


前回開催された「2010土壌・地下水環境展」の様子。当社ブースは、多くのお客様で賑わいました。

■当社の主な出展内容

  • 最先端の土壌洗浄関連技術の紹介
  • 震災復旧・復興に向けたシミズの取り組み

■2012土壌・地下水環境展

日時 2012年10月17日(水)~19日(金)
午前10時~午後5時(最終日は午後4時30分まで)
会場 東京ビッグサイト(東京国際展示場)東ホール
清水建設(株)ブース(G-24)
入場料金 1,000円(消費税込み)

※展示会のホームページで事前登録されますと無料になります。
事前登録画面はこちらへ

2012土壌・地下水環境展