2017.03.09

テクニカルニュース

健康・快適

高精度な屋内外音声ナビゲーション、商業施設で実証実験

当社は、東京・日本橋の室町地区において、スマートフォン・アプリを活用し来街者を店舗や施設に案内する、高精度な屋内外音声ナビゲーションシステムの実証実験を実施※1しました。

近年、屋外ではGPSによるナビゲーションシステムが普及している反面、GPS信号が届かない地下や屋内施設では地図データの整備も進んでおらず、普及していません。

当社と日本アイ・ビー・エム株式会社は、屋内外を切れめなく繋ぐ歩行者ナビゲーションシステムを2015年から共同開発しています。当社の技術研究所において、健常者はもとより、車いす利用者や視覚障がい者に対しても、目的地を案内するナビゲーションの実証実験※2を重ね、今回の実証実験に至りました。

本システムは、施設内外の区別なく、音声により利用者それぞれに最適な経路を案内します。車いす利用者に対しては階段や段差のない経路、視覚障がい者に対しては移動に必要な細かな情報を音声で提供します。さらに、英語にも対応し、外国人旅行者も利用することができます。

今後、大規模商業施設・学校や病院、空港などの公共施設への導入を目指し、バリアフリー・ストレスフリーな次世代の街づくりに貢献します。

日本アイ・ビー・エム株式会社、三井不動産株式会社と共同

視覚障がい者実験は、社会福祉法人 日本点字図書館のご協力を得て実施

屋内外音声ナビゲーションの実証実験

屋内外音声ナビゲーションシステムの概要

システムの概要

本システムは、当社の高精度測位インフラ技術、空間情報データベース技術と、日本アイ・ビー・エムの高精度屋内位置推定技術、音声認識技術を融合したものです。空間情報データベースを持つナビゲーションサーバーと音声ナビゲーションを担う対話サーバー、ビーコン(位置情報通信設備)、スマートフォン向けアプリケーションから構成されます。

利用者がスマートフォンに行きたいところを話しかけると、スマートフォン・アプリが店舗や施設の情報をサーバーに問い合わせ、対話を重ねて目的地を設定します。屋内に設置された各ビーコンから利用者の位置情報がスマートフォンを介してサーバーに送信され、それをもとに、空間情報データベースが現在位置から目的地までの最適経路を導き出し、音声や画面で利用者を案内します。

屋内外音声ナビゲーションシステムの概要図

空間情報データベース

本システムの重要技術である空間情報データベースは、2014年から当社が開発を続けています。建物の平面図データに、室名、階段、段差、スロープ、手すり、事務室、トイレなどの空間情報や、移動経路の検出に必要な空間相互のネットワーク情報などを付加したものです。

これまで、当社の技術研究所において、視覚障がい者や車いす利用者に対する歩行者ナビゲーションの実験を通し、測位の高精度化を進めるとともに、さらに、BIMデータから空間情報データベースを自動作成するシステムも開発しました。

過去の実証実験については下記のボタンをクリックしてご覧ください。

屋外・屋内の区別なく視覚障がい者を音声でナビゲート

屋内版GPS「IMES」による歩行者ナビゲーション

実証実験

実験概要

実証実験は以下の対象エリアで、一般歩行者、車いす利用者については2月8日〜28日、522人の参加者が、音声やナビゲーション用地図による誘導・案内を体験しました。また、視覚障がい者については、2月1日〜7日に事前に募集した40名が体験しました。今後は、参加者の測位情報や実験後に回答したアンケートの内容から、位置精度、音声案内のタイミングとそのわかりやすさ、提供情報の適切さなどについて分析し、その結果をシステムに反映する予定です。

今回の実験におけるナビゲーションの例

目的地の設定: 利用者はスマートフォンにダウンロードしたスマートフォン・アプリを起動し、一般歩行者、車いす利用者、視覚障がい者といった属性を設定、利用規約に同意します。対話によって目的地を設定、最適な経路でのナビゲーションが開始します。

ナビゲーション: 一般歩行者に対しては最短経路、車いす利用者に対しては階段や段差のない経路を選定し、地図上に現在位置を示しながら、目的地に着くまでに必要な情報を音声でほぼリアルタイムに提供します。また、視覚障がい者には音声情報をタイミングよく送ります。高精度な測位と音声対話により、曲がり角で向かうべき方向を伝える“ターン・バイ・ターン”ナビゲーションを実現しています。