論文紹介清水建設が発表した論文をご紹介します。

せん断に伴うダイレイタンシーを考慮した砂地盤の等価線形構成則モデル

第79号2004年4月
浅香美治、社本康広

主ひずみ増分比を任意に制御する三軸試験機を作製し、飽和豊浦砂三軸供試体に対して軸方向単調載荷中に主ひずみ増分比が一定となる三軸定ひずみ径路試験を行い、その結果に基づいて、主応力比と主ひずみ増分比の関係は一義的に決定できないが、主応力比と全ひずみ比の関係はひずみ径路に依存せず一義的に決定できることを明らかにし、この関係を定式化している。次に、弾性論にもとづいて、三軸定ひずみ径路試験から得られた主応力比と全ひずみ比の関係を満足する等価ヤング係数と等価ポアソン比の決定法を示し、これらのパラメータを用いることによってせん断に伴う砂のダイレイタンシー挙動を表現することが可能な三軸要素の等価線形構成則モデルを提案している。さらに、飽和豊浦砂三軸供試体に対して、様々な初期応力状態からひずみ径路または応力径路を制御した排水圧縮試験を行うとともに、提案した構成則に基づき試験結果のシミュレーションを行い、応力状態またはひずみ状態の変化にしたがって等価ヤング係数と等価ポアソン比を変化させる提案モデルが微小から大ひずみ領域に至る強度・変形特性をダイレイタンシー挙動を含めて表現できることを示し、提案する三軸要素の等価線形構成則モデルの有効性を示している。

An Equivalent Linear Constitutive Model of Sand with Dilatancy

by Yoshiharu Asaka and Yasuhiro Shamoto

Triaxial strain-path controlled tests are conducted on Toyoura sand specimens, in which the principal strain increment ratio, defined as a ratio between axial and lateral strain increments, is kept constant. Based on the stress-path behavior of the test specimens, a simple equivalent linear constitutive model that enables one to simulate contractive and dilative behavior of sand is proposed. To examine the effectiveness of the proposed constitutive model, several series of triaxial compression tests are performed, and their results are compared with those simulated by the model. The computed results show excellent agreement with the test results, indicating that the constitutive model is effective for estimating stress-strain characteristics including dilatancy behavior of sand.

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