論文紹介清水建設が発表した論文をご紹介します。

小型ハンディスキャナを用いた歴史的建造物復元工事支援

第91号2014年1月
  • 竹内 啓五(技術研究所)
  • 石岡 宏晃(技術研究所)
  • 高山 和弘(東京支店)
  • 宇野 康則(名古屋支店)

我々は、駿府城公園の坤櫓復元工事において、その装飾品である鯱(しゃちほこ)を再現するための計測に三次元計測技術を適用した。鯱は日本の城の特徴的装飾品であり、屋根の上に配置される象徴的な彫像である。駿府城は現静岡市内にあった日本でも有数の城であり、現在その復元工事が進められている。一般に復元工事では、可能な限り史実に沿って再現することが求められる。今回の鯱のケースでも類似の像を参考にした複製が計画されたが、その形状が複雑な為、各部位の寸法を拾うことは非常に手間と時間を要する。このような場合、最近では三次元スキャナを適用する事例が増えてきている。 我々も、現在市販されているスキャナの適用可能性を検討し、最終的にXtion(Kinect)での計測方法の適用を試みた。同装置は、モーションキャプチャによるヒューマンインターフェースとして開発・市販されているが、センサ部には高精度の距離画像カメラを内蔵している。今回このセンサをスキャナとして活用するため、ソフトウェアならびにハードを整備し、鯱の全体形状をとらえることに成功した。さらに、そのデータをもとに、CAD情報のほか三次元プリンタを活用するなど製作支援を行う様々な情報加工を行った。

Hand-held 3D Camera Used for Measuring Artifacts to be Reconstructed.

by Keigo Takeuchi, Hiroaki Ishioka, Kazuhiro Takayama and Yasunori Uno

We used a 3D camera to measure a Shachihoko roof ornament on Sunpu-Jo castle, a famous Japanese castle in Sunpu-Jo Park, Shizuoka City. Every part of the castle, including the symbolic Shachihoko, is currently being reconstructed to be as historically accurate as possible. Because Shachihoko have very complicated shapes, accurately reproducing them is a time-consuming, labor-intensive process. Three-dimensional scanners are increasingly being used to reduce this time and labor. We examined current commercial scanning solutions, including Xtion (Kinect). Although developed and marketed as a human interface for motion capture, the Xtion imaging sensor is capable of highly precise distance measurements. By modifying the software and hardware, we were able to successfully scan the entire form of a Shachihoko ornament. Furthermore, the resulting data can be used for CAD and 3D printer manufacturing operations.

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