2014.01.08

テクニカルニュース

防災・減災

シミズの防災・減災技術

阪神・淡路大震災の発生からまもなく19年が経過します。近年は、首都直下地震や南海トラフ巨大地震の津波被害予測が公表されたことに加え、洪水や噴火、竜巻などの自然災害が国内外で発生しており、改めて社会的な防災意識が高まっています。

当社では、東日本大震災の教訓を踏まえた、安全・安心な都市・建物づくりのための技術開発に取り組んでいます。今回の特集では、当社の最新防災・減災技術についてご紹介します。


当社の最新防災・減災技術

防災診断のノウハウを集約
「シミズ総合防災診断システム」

本システムは、立地環境に関する事前評価と建物の現地調査により、地震の揺れ、液状化や津波、火災等に対する施設の防災性能を総合的に診断することができます。

東日本大震災の最新の知見を踏まえた高度な防災診断をスピーディーに行い、企業の事業継続計画(BCP)の観点から施設の防災上の課題を明らかするとともに、課題に対する対策をご提案します。

詳細はこちらへ


巨大地震から歩行振動まで制震!
回転式制震ダンパー「ダイナミックスクリュー」

ダイナミックスクリューは、ビル低層階に集中的に配置することで、地面から伝わる地震のエネルギーを低層階で効率よく吸収して、ビル全体の揺れを抑えます。


ダイナミックスクリューによる制震構造

揺れの特性に合わせて錘の大きさや取り付け部材を調整することで、従来の免震構造では抑えられなかった上下方向の地震動や、歩行等による床振動も制御可能です。


上下振動(歩行振動)対策への適用も可能

詳細はこちらへ

津波の挙動や津波荷重を3次元モデルで詳細に予測
「津波総合シミュレーションシステム」

本システムは、津波が陸上を遡上して建物に衝突したり、建物内に浸入する様子を3次元で再現しながら、建物に作用する津波荷重を精度よく算定します。

津波の発生源となる断層破壊については、従来の解析で仮定していた一度に破壊する状況だけではなく、徐々に破壊が進行する状況まで考慮したシミュレーションが可能です。

詳細はこちらへ

短工期・ローコストで既存建物を津波避難ビルに改修
「フレーム・シェルター」

フレーム・シェルターは、既存建物の周囲を鋼製メガフレームで囲み、津波に対する構造補強を行うと同時に避難場所を確保します。

既存建物を解体して津波避難ビルに建て替える場合に比べて短工期・ローコストであり、施設を使用しながらの改修工事が可能です。


既存建物への「フレーム・シェルター」適用イメージ

詳細はこちらへ

既存吊り天井の耐震診断と改修方法をセットでご提案
天井耐震診断手法「ラッカノン」

本手法は、当社が東日本大震災後に実施した被害調査や各種実験で得た知見を集約・データベース化して確立したものです。診断担当者による評価結果のバラツキがなく、また、診断のみならず改修方法についても具体的に提案することができます。

診断に必要な時間は、天井面積10,000m2程度の施設の場合、報告書・提案書の作成を含め最短で1~2週間程度です。

詳細はこちらへ

吊り天井を下から支える耐震改修工法
「グリッドサポート」

グリッドサポートは、「端部構造部材」と「グリッド枠」のわずか2種類の部材を使用して、既存吊り天井の落下を防止する耐震改修工法です。

施設の用途を問わず適用可能で、施設を使用しながら工事が行える上、天井を張り替える既存工法に比べて費用を20~40%、工期を20%程度削減することができます。


わずか2種類の部材で天井の落下を防止する「グリッドサポート」

詳細はこちらへ

吊り天井の落下を防ぐ

本構造形式は、天井の補強ポイントごとに耐震ブレースを配置するとともに、部材の接合部を耐震クリップや耐震ハンガーなどで固定して耐震性を高めるもので、生産施設などに用いられる在来天井の落下防止に有効です。

既存の構造形式と既存製品を組み合わせる形式であり、従来のガイドラインなどで推奨されている耐震天井に比べて部品点数を4~5割少なくできコストダウンが可能です。

詳細はこちらへ

多様な災害に対応した
「シミズ海外ハザード評価システム」

本システムは、アジア防災センターやNASAをはじめとする11機関16種類の公開情報をデータベースとして集約したものです。地図上(グーグルアース上)で世界中の任意の地点におけるハザード情報や現在および過去の自然災害情報などを短時間で取得することができます。

評価結果はハザードマップなどを用いてわかりやすく提示し、設計上、特に考慮すべき自然災害に対しては対策技術等を提案します。


©Google
地震ハザードマップ(The Global Seismic Hazard Assessment Program(GSHAP))


©Google
落雷頻度マップ(NASA)

詳細はこちらへ