2021.06.14

事例

省エネ

施設価値向上

北陸支店新社屋 前編

最高水準である『ZEB』認証を取得した「超環境型オフィス」

2050年までにカーボンニュートラルを目指すという国の目標のもと、さらなる建物の省エネルギー化が求められています。しかし、省エネルギーを追求するあまり、暑い、寒い、照明が暗いなどオフィス環境が悪くなり働く人に負荷がかかってしまっては意味がありません。そこで、人々が活き活きと働けるよう、オフィスの快適性を保ちながら、いかに省エネルギー化を行うかが鍵となります。その両方を兼ね備えたのが北陸支店新社屋です。

今回は、「超環境型オフィス」をコンセプトに、最先端の省エネ・創エネ技術を採用した「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の実現と「働き方改革、健康増進に資するオフィスづくり」を目指した北陸支店新社屋の事例を「省エネルギー」「木質構造」の2つの視点からご紹介します。(北陸支店新社屋 後編「木質構造」はこちら

自然エネルギー利用と最先端技術の組み合わせでZEBを実現

新社屋では、金沢の気候・風土を活かし、冷暖房に自然エネルギーを利用するとともに、最先端省エネルギー技術の活用によって最高水準※1であるZEBを実現しました。(建築物省エネルギー性能『ZEB』認証取得)

さらに、究極のクリーンエネルギーである水素を利用した発電システム「Hydro Q-BiC®」をオフィスビルで初めて採用しています。

各種省エネルギー技術により建物の一次エネルギー消費量を基準値の28%まで低減し、太陽光発電により消費量を上回るエネルギーを創出することで、年間エネルギー収支「ゼロ」を達成しました。これにより、年間CO2排出量を290t程度削減できる見込みです。

中規模オフィスビルとして石川県、福井県、富山県の中で初。2021年5月時点。

導入した技術の特徴

Hydro Q-BiCは国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同開発です。(特許出願中)

自然エネルギー利用と最先端省エネルギーシステムの融合

自然エネルギー活用

金沢の気候・風土を活かした地下水利用空調熱源、自然採光、床吹き出し空調、躯体蓄熱放射空調、太陽光発電などの自然エネルギーを効率よく活用します。

採光

自然採光では、自然光を内部へと導く「集光装置」としての「ハイサイドライト」、その光を室内へと拡散させる「配光装置」としての「格子梁」という二つの環境装置で調光した柔らかな光をオフィス空間に供給するために、Shimz DDE(清水建設独自のコンピュテーショナルデザインプラットフォーム)を用い、天井面の「明るさ感」を確保しつつ、「グレア」を抑え、より「省エネ効果」が高いハイサイドライトと格子梁の組み合わせを実現しました。

躯体蓄熱放射空調(TABS)

床コンクリートに熱を蓄え、その放射効果により快適な室内温熱環境を実現する空調システムです。北陸支店新社屋では、躯体蓄熱の熱源として地下水を利用することで、省エネルギー効果を高めています。

フロアフロー空調※3

OAフロアと床躯体の間に供給する空調空気を不織布製のフロアカーペット全面から居室内に染み出させる空調システムです。空調空気は人やパソコンなどの発熱体が生み出す上昇気流に吸い寄せられ、空調が必要な場所に空調空気が集中する仕組みになっており、人間の居住空間(背丈相当)に限った空調が行えます。

フロアフロー空調®(床吹出し空調)

未来を変える水素利用エネルギーシステム「Hydro Q-BiC」

変動の多い太陽光発電によるエネルギーを水素に交換して貯蔵し、建物の電力需要に応じて水素を放出・発電する最先端の制御システム「Hydro Q-BiC」をオフィスビルでは初めて採用しました。

週末・祭日など建物の電力需要が少ない時間帯に生じる太陽光発電設備(140kW)の余剰電力を利用して水素を製造し、特殊な合金に吸着させ蓄電(2,000kWh)。平日の電力消費が多い時間帯や非常時に水素を合金から抽出し、発電します。水素の吸蔵・放出には、実績あるシミズ・スマートBEMSを活用し、施設の需要に応じたエネルギーの最適運用を行います。また、非常時にはBCP電源として72時間分の電力を供給します。

数値は新社屋に採用する設備容量

水素エネルギー利用システムの構成
水素エネルギー利用システムの構成
新社屋に採用された建物付帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」

新社屋に採用された建物付帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」

新社屋の環境性能については、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の『ZEB』認証、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の「Sランク(最高ランク)」認証を取得済みです。当社は今後、この超環境型オフィスを先進的技術のショールームとして活用し、技術展開を促進していく予定です。