2026.02.20

鍵を探せ!

環境と人にやさしい建築の鍵は、CO2を吸収・除去することにありました。

迫りくる地球温暖化 どう防ぐ?

近年、日本のみならず世界各地で、猛暑や豪雨といった気候の変化による影響がみられるようになってきました。地球温暖化が深刻な局面を迎えつつある中、この危機を食い止めるため、日本政府は2050年までに「カーボンニュートラル」を実現する方針を掲げています。

カーボンニュートラルとは、排出したCO2と吸収・除去したCO2を差し引き、「実質ゼロ」にすることを意味します。この達成には、省エネや再生可能エネルギーによる「排出量の削減」に加え、森林資源などを活用し、大気中のCO2をどれだけ「吸収・除去」できるかが重要な鍵となります。

カーボンニュートラルの実現

森のメカニズムを建築へ

CO2吸収の最も身近なメカニズム、それは植物の光合成です。樹木は成長過程で大気中のCO2を吸収し、炭素(C)として内部に蓄えます。重要なのは、伐採されて木材になっても、その炭素は固定されたままであるという点です。つまり、木材を建築に使用することは、長期間にわたってCO2を固定し続けることを意味します。鉄やコンクリートと比較して、木材が「CO2排出削減に貢献できる材料」と言われる理由は、まさにこの炭素固定能力にあるのです。

森のメカニズムを建築へ

木材の弱点を克服し、進化する「木質ハイブリッド技術」

一方で、木材を建築で活かすには、「火災」や「地震」といった課題を克服する必要があります。そこで生まれたのが、木材と他の素材を組み合わせるアプローチです。

シミズは、木造と鉄筋コンクリート造、鉄骨造を適材適所に組み合わせ、建物を最適に木質化する「木質ハイブリッド技術」を開発してきました。これにより、耐火性や耐震性を確保しつつ、木の温かみや快適性を最大限に活かすことが可能になりました。現在、オフィスビルをはじめとする様々な建物に適用されています。

  • 環境と人にやさしい木質建築を実現する「シミズ ハイウッド®」の技術
木質建築を実現する「シミズ ハイウッドⓇ」

コンクリートがCO2排出削減に貢献?

木材の積極的な活用はCO2削減に有効ですが、木造化が難しい構造物、例えば道路や橋などのインフラには、コンクリートが不可欠です。しかし、その原料であるセメントは、製造時に大量のCO2を排出するという課題がありました。そこで生まれたのが、「コンクリートでCO2を吸収・除去する」、つまり「排出する側」だったコンクリートが「削減する側」に変わる、というアプローチです。シミズでは、具体的には次のような技術開発を進めています。

  • バイオ炭を混ぜ込み、木材のようにコンクリート内部に炭素を貯留することでCO2を固定化し、大気中からCO2を除去する技術
  • 表面に特殊な溶液を塗布し、大気中のCO2をコンクリート内部に吸収・固定化させる技術
CO<sub>2</sub>排出削減に貢献するコンクリート技術

都市そのものが「森」になる未来へ

環境にやさしい材料と技術の開発へ夢を見る女の子

木材とコンクリート。それぞれの課題を克服し、素材の可能性を最大限に引き出す技術革新によって、カーボンニュートラル実現への道は新たなステージへと進み始めました。

やがて木材を活用した建物が普及し、コンクリート構造物によってCO2を削減・吸収・除去できるようになれば、都市そのものが「森」のような機能を持つ日が来るかもしれません。