2026.06.18

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「DACコート®」がもっとよくわかるQ&A

テクニカルニュース「DACコート」をさらに深堀りして、よくある疑問にQ&A方式で詳しく解説します。

他のCO2吸収技術と比べて、DACコートの独自性は何ですか?

コンクリートに塗るだけでどこでも大気中のCO2を吸収・固定化できる

多くのCO2吸収技術が工場排気のような高濃度CO2を対象とする中、DACコートは「大気中の薄い濃度のCO2を促進的に吸収できる」「コンクリートに塗るだけでどこでも大気中のCO2を吸収・固定化できる」点が最大の特徴です。

既設コンクリートの有効活用が可能

この技術は新設だけでなく、新設よりもはるかに多く存在する既設コンクリートの有効活用が可能です。また、適用後はコンクリートが自然にCO2を吸収してくれるので、吸収にかけるエネルギーが非常に小さい点もDACコートの大きな強みです。

アミン化合物を用いて大気中のCO2を新設・既設を問わずコンクリートに直接吸収させる技術は、世界的に見ても独自性が高く、CO2削減への新たな貢献が期待されています。

1回塗布するだけで従来の1.5倍の効果が得られるのですか?

定期的な塗り直しで効果を長時間持続させることが可能

5~10年ごとの建物メンテナンス時などに定期的に塗り直すことで、効果を長時間持続させることが可能です。具体的な促進効果については、対象のコンクリートで異なります。そのため、現在、様々な環境下での実証実験を通じて、その効果と持続性を詳細に検証している段階です。

従来の2.5倍の効果が得られた実証も

例えば東京ベイeSGプロジェクトでの実環境における実証では、無塗布の場合と比較し、CO2固定量は最大で2.5倍に増加することを確認しています。

1年間の実証実験のグラフ

どうやってCO2固定量を計測するのですか?

躯体から採取したコンクリートサンプルを化学分析で評価

現在は、コンクリート中のCO2量を精密に測定する化学分析手法によりCO2固定量を評価しています。躯体から採取したサンプルを対象に、CO2量を定期的に取得し、経時変化を測定することで、DACコートによるCO2固定量を評価しています。

また、躯体からのサンプリングが不要な現場で計測する方法も検討中です。

変色部は未中性化部(CO2と反応できるカルシウム分が残っている領域)
変色部は未中性化部(CO2と反応できるカルシウム分が残っている領域)

塗布によってどれだけ内部まで浸透するのですか?

加圧手法なら表面から40mm程度内部まで浸透

腐食を防止したい鉄筋はコンクリート表面から3~4cmのところにあるため、CO2固定の他に、コンクリート内部への浸透性もDACコートの重要な性能の1つです。そのため、単に噴霧するだけでなく、より深く確実にDACコートを浸透させる手法として、加圧による施工方法も検討しています。これにより、表面から40mm程度の位置まで浸透させられることを実験室レベルで確認しています。

加圧手法によるDACコートの浸透状況(ぬれ色部が浸透範囲)
加圧手法によるDACコートの浸透状況(ぬれ色部が浸透範囲)

時間経過とともにさらに内部へ

さらに、浸透したDACコートは、時間経過によってより内部に拡散していくことも確認しています。今後、現場での実証実験を通じて、コンクリートの状態やDACコートの浸透、拡散について更なる検証を進めていきます。

DACコートによるCO2の吸収・固定は、いつかストップしてしまうのでしょうか?

固定は止まらず、長期間にわたって固定量は増え続ける

コンクリートが本来持っている「CO2を吸収・固定できる許容量(キャパシティ)」自体は変わりません。

DACコートを施工することで、大気中のCO2がコンクリート内部へ浸透しやすくなります。未施工のものと比べると、同じ期間でもより多くのCO2を効率的に固定できるため、グラフ上では固定量の差が時間とともに開き続けます。

数十年かけて炭酸化が進行

コンクリートの炭酸化(CO2の固定反応)は非常にゆっくりと進みます。建物の供用期間である数十年というスパンで見ても、コンクリート部材全体が完全に炭酸化しきることはありません。そのため、固定のプロセスは止まることなく、長期間にわたって固定量は増え続けます。

DACコートを適用する場合としない場合のCO2固定量の変化

つまり、DACコートは「短期間で固定が終わる」ものではなく、建物の寿命に合わせて「長期間にわたり、より多くのCO2を固定し続ける」ための技術といえます。

DACコートに関するQ&Aを通じて、技術的な詳細から実用面、今後の計画まで幅広くご紹介しました。

進化するDACコートについて、今後も深堀りした記事をお届けしてまいります。